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犬のてんかん基礎知識まとめ:てんかん歴9年の犬と暮らす飼い主がわかりやすく解説

犬 ダックスフンド ダックスフント ペット ちょちょブログ

「犬がてんかん発作を起こしたとき、自宅での適切な対処法や、動物病院に連れて行くタイミングが知りたい」

「犬のてんかんの原因や診断方法について知りたい」

「犬のてんかんに対する治療で、投薬や手術以外の方法を知りたい」

りあ

はじめまして。
てんかんを患っている愛犬と暮らして9年になる飼い主のりあです。

ちょちょ

てんかんを患ってから9年。
紆余曲折ありつつも、今は穏やかに暮らせているちょちょです。

我が家の愛犬は、保護してから2週間程経過したある日、突然てんかん発作を起こしてしまいました。

当時の私は何が起きたのか訳が分からず右往左往することしかできませんでした。

次の日、動物病院で下された診断結果は「てんかん」

テレビやネットで「てんかん」という病気があるという程度の知識しかなかった私ですが、この9年間様々な文献を読み漁り、獣医師の方からも直接お話を伺いながら知識を深めてきました。

犬の「てんかん」に関する情報は、沢山の動物病院のサイトで紹介されていますが、この記事では、現在も犬のてんかん治療を続けている飼い主の目線から、できるだけわかりやすく「てんかん」についての基礎知識を網羅できるよう情報を紹介していきます。

この記事を読むとわかること

  • 犬のてんかんの種類と特徴
  • 犬のてんかんの経過観察と治療開始時期の目安
  • 犬が自宅でてんかん発作を起こした場合の対処法と動物病院へ連れて行くタイミング
  • 犬のてんかん発作が起こりやすい条件と対策
  • 犬のてんかんの診断に必要な検査と平均費用
  • 犬の抗てんかん薬の種類・副作用
  • 犬の抗てんかん薬を自己判断で中止することのリスクと飲ませ忘れた場合の対処法
  • てんかんの犬におすすめの食材と療法食
目次

\我が家の愛犬も大好き/

\我が家の愛犬も大好き/

犬のてんかんとはどんな病気?

犬のてんかんとは、中枢神経系の疾患の一種で、脳の神経細胞の異常な放電によって発作を起こす病気です。

犬のてんかんは原因も様々で、遺伝的な要因、脳の病気、代謝異常などが考えられています。

治療は可能ですが、完治することは難しい難治性の病気です。

犬のてんかんの種類:「特発性てんかん」と「症候性てんかん」の違い

犬のてんかんには、原因が特定できない「特発性てんかん」と、何らかの原因によって発症した「症候性てんかん」の2つのタイプがあります。

特発性てんかん

「特発性てんかん」とは、原因が明確に特定できず、脳の機能異常によって発症するタイプです。

犬の「てんかん」の場合、「特発性てんかん」が全体の約60%~70%をしめます。

特発性てんかんの特徴
  • 検査をしても脳に異常が無い
  • 遺伝的要因が強い可能性がある
  • 生後6ヶ月~6歳くらいまでの若い年齢で発症することが多い
  • 完治が難しい

「特発性てんかん」は原因が明確に特定されないため、完治が難しい病気です。

ですが、抗てんかん薬を服用することによって症状を抑えることが可能です。

抗てんかん薬が合えば、重症化リスクを下げることができ、寿命を全うできる可能性も充分あります。

症候性てんかん

「症候性てんかん」とは、脳に病変や損傷、炎症、感染症、脳腫瘍などがある場合に発症するタイプです。

犬の「てんかん」の約30%~40%をしめます。

症候性てんかんの特徴
  • 脳に損傷、炎症、感染症、腫瘍ができることで引き起こされる
  • 原因となる主な病気は、脳炎脳梗塞脳腫瘍水頭症など
  • 年齢に関係なく発症する
  • 手術により病変を取り除くことで完治する可能性がある
  • 老犬になって初めて発作を起こした
  • 脳の病気や頭部の怪我をしてから発作が起きるようになった

場合は、「症候性てんかん」の可能性が極めて高いです。

「症候性てんかん」の場合、手術により病変を取り除くことで完治する可能性がある一方、治療が遅れると手遅れになってしまう危険性が高いため、飼い主さんがなるべく早く気付いて動物病院を受診することが大切です。

「けいれん」=「てんかん」とは限らない!

犬が「けいれん」を起こしても、すぐに「てんかん」と診断されるわけではありません。

犬の「けいれん」の原因は「てんかん」以外にも、

  • ストレス
  • 恐怖
  • 気圧の変化
  • 薬の副作用
  • 中毒症状
  • 低血糖
  • 他の疾患によるもの

など、原因が多岐に渡るからです。

「けいれん」が起こった場合は、すぐに動物病院を受診し、原因を特定して適切な治療を行うことが重要です。

犬のてんかんの経過観察と治療開始時期の目安

犬の「てんかん」の経過観察と治療開始時期の目安については、犬の状態や獣医師の考え方によって異なります。

一般的には、以下のような目安で経過観察と治療開始を判断しているようです。

犬のてんかん:経過観察
  • 数年に1回の頻度で「けいれん」が起きる
  • 1年のうち、季節の変わり目や特定の時期のみ「けいれん」が起きる
  • 引越や家族の増減等、犬の生活環境に大きな変化が起きた直後に「けいれん」が起きた
  • 予防接種や検査を受けた直後に「けいれん」が起きた
  • 新しい薬を飲み始めてから「けいれん」が起きるようになった
  • 特定の食べ物を与えたら「けいれん」が起きた
犬のてんかん:治療開始
  • 重積発作が起きた
  • 症候性てんかんが明らかな場合
  • 1日に2~3回以上の頻度で「けいれん」が起きる
  • 1か月に2~3回以上の頻度で「けいれん」が起きる

犬のてんかん発作:症状・自宅での対処法・動物病院へ連れて行くタイミング

ここでは、犬のてんかん発作の主な症状、危険な症状、自宅での対処法、動物病院へ連れて行くタイミングについて解説していきます。

犬のてんかん発作の症状

こんな症状が起きたら動物病院を受診しよう!
  • いつもより呼吸が荒く、よだれが沢山でている
  • 体の一部、もしくは全身が「けいれん」している
  • 意識を失って倒れる
  • 後ろにのけぞり、四肢を突っ張るような体制で硬直している
  • 突然ふらふらと歩きだし、腰が抜けたようにうずくまる
  • 嘔吐、失禁、脱糞
  • 泡を吹いて倒れる
  • 奇声をあげて倒れる
りあ

犬がてんかん発作を起こしたときに、どんな状態になるのか知りたい方は、「犬 てんかん 動画」で検索すると、より詳しく症状を確認することができます。

りあ

かなりショッキングな動画が多いので、閲覧する場合はお気をつけください。

犬がてんかん発作を起こしたときの自宅での対応法

自宅での対応法
  • 緊急用の坐薬がある場合はすぐに投与する
  • 犬が体をぶつけて怪我をしないよう周りの物を片付ける
  • 動画を撮影する
  • 決して犬には触れず、状態が落ち着くまで静かに見守る

犬がてんかん発作を起こして倒れてしまったときは、体をぶつけて怪我をしないよう周囲の物を片付けましょう。

可能であれば、犬を安全な場所に移動させてあげましょう。

てんかん発作を起こしている犬の体を揺すったり、口元に手や指を入れる行為は大変危険なので絶対にやめましょう。

てんかん発作を起こしている犬は意識を失っているため、揺すられることによって頭が強く揺れたり、首を捻ったりする可能性があり、脳に損傷を与える危険性が高まります。

また、力の制御ができない状態にあるため、反射的に飼い主さんの手や指をおもいっきり噛んでしまう危険があります。

犬がてんかん発作を起こしたときに、動画撮影や、発作時の状況をメモしておくと、獣医師の診断に役立つので、可能な限り記録をとるようにしましょう。

犬がてんかん発作を起こしたときに獣医師に伝えると良いポイント9個

愛犬がてんかん発作を起こすと、飼い主としてはとても心配になります。

初めててんかん発作を目の当たりにした場合は、動画撮影をしている心の余裕はないでしょう。

ここでは動画撮影が難しい場合、獣医師に提供することで、より正確な診断や治療法を選択することができるようになる情報のポイントを9個ご紹介します。

愛犬が落ち着いてからでいいので、ケータイのメモアプリなどに入力してから動物病院を受診することをおすすめします。

犬がてんかん発作を起こしたときに獣医師に伝えると良いポイント9個
  • 犬がてんかん発作を起こした日時と、動物病院を受診するまでに何回発作が起きたのか
  • 犬の体のどの部分がけいれんしていたのか
    • 全身けいれんを起こしたのか、下半身のみなどの部分的なけいれんを起こしたのか
  • 意識はあったか
  • てんかん発作を起こしていたときはどんな状態だったか
    • 泡を吹いた、突然意識を失って倒れた、失禁、脱糞など
  • 発作前後の様子
    • 発作前⇒突然奇声をあげた、無意味にうろうろしていたなど
    • 発作後⇒何事も無かったようにケロッとしていた、暫くボーっとしていたなど
  • てんかん発作が始まってから終わるまでの時間(大体でOK)
  • その日の室温や気候
    • 寒かった、暑かった、雷が鳴っていたなど
  • 犬の健康状態について
    • 犬の年齢、体重、基礎疾患の有無、既往歴、現在治療中の疾患の有無、服用中の薬の名前など
  • 犬の生活環境について
    • 最近近所で工事が始まった、餌を変えたなど犬の生活環境に変化があった場合
りあ

私は普段から、ちょちょがてんかん発作を起こしたときは、こんな感じでケータイのメモアプリに記録しています。
画像を添付しておきますので、良かったら参考にしてください。

犬 ちょちょブログ てんかん 発作 けいれん

犬がてんかん発作を起こしたときに動物病院へ連れて行くタイミング

犬がてんかん発作を起こした場合、まずは発作が落ち着くまで待ちます。

犬の状態が落ち着いたら、速やかに動物病院に連絡を入れ、受診しましょう。

かかりつけの動物病院が休診日だった場合、近隣の開いている動物病院を探しましょう。

犬のてんかんは、原因がはっきりとしない場合が多いため、基本的には速やかに適切な治療を受けることが必要となります。

診察時間外・夜間・連休中にてんかん発作を起こしてしまった場合は、犬の状態を注意深く観察し、落ち着きを取り戻しているようであれば、翌日の受診でもひとまずは大丈夫です。

こんな症状のてんかん発作は危険!様子見はせず、すぐに動物病院へ!

犬のてんかん発作の中でも重積発作を起こしている場合は、速やかに動物病院に連れて行く必要があります。

重積発作とは、てんかん発作が続いている状態のことを指します。

通常、てんかん発作は一度きりで治まることが多いのですが、重積発作の場合、発作が終わらずに次々と新しい発作が現れる状態が続きます。

重積発作は、脳に与える悪影響が大きく、治療が遅れると脳障害を引き起こしたり、最悪命にかかわることがあります。

様子見はせず、夜間や休日診療に対応している救急病院に電話し、すぐに受診するようにしてください。

命に関わる重積発作!こんな症状のてんかん発作はすぐに動物病院へ!
  • 発作が5分以上続く場合
  • 意識が戻る前に2回目の発作が起きた場合
  • 意識が戻らない場合
  • 呼吸困難な状態の場合

犬のてんかん発作が起こりやすい条件と対策

愛犬のてんかん発作を9年観察し続けてきた結果、てんかん発作が起こりやすい条件があることに気がつきましたのでご紹介させていただきます。

犬のてんかん発作が起こりやすい条件
  • 季節の変わり目
  • 一日の寒暖差が激しいとき
  • 台風が接近しているとき
  • 雷が鳴っているとき
  • 梅雨の時期
  • 大雨のとき
  • 興奮しているとき
  • 病院に行った日
  • 引っ越しや家族が増えた、減った等犬の生活環境に変化があったとき
  • 体調が悪いとき
  • 発情期(未避妊・未去勢の場合)

季節の変わり目一日の寒暖差が激しいとき

室内の温度や湿度の変化が大きくならないよう、エアコン加湿器などを使用して対策をとりましょう。

また、散歩の時間帯に気を配ることも重要です。

真夏は朝から日中にかけて気温が高いため、散歩は気温が下がり始める夕方以降に行くようにしましょう。

真冬は朝と夕方以降は気温が低いため、可能な限り日中の暖かい時間帯に散歩に行くようにしましょう。

天候異常(台風・梅雨・雷・大雨)など

ドーム型のハウスを用意してあげる、お気に入りの毛布や飼い主の衣類で包んであげる、身体を優しく撫でながら声掛けをしてあげるなど、愛犬が落ち着けるように対策をとりましょう。

興奮状態のとき

興奮しやすい状況は犬の性格によって異なるため、まずは愛犬がどういった状況で興奮するのかを飼い主さんが把握し、状況を遠ざけたり、しつけをするなどの対策をとりましょう。

犬の興奮状態を止めるには「しつけ」が一番効果的です。

とはいえ、「しつけ」はすぐに身に付くものではないため、日頃から「伏せ」「待て」「おすわり」などの静止行動を促すしつけを訓練していくことが大切です。

しつけ以外で出来る対策としては、例えば、

他の犬を見つけると興奮してしまう場合は、ドッグランなど他の犬が多い施設には連れて行かないようにする。

チャイムの音に興奮してしまう場合は、チャイムが鳴らないように電源を切る。

ご飯やおやつをあげるときに興奮してしまう場合は、犬が興奮しだしたらすぐに食べ物を下げて落ち着くまであげないようにする。

などがあります。

病院に連れて行った、引っ越しをした、子供が生まれた、家族の誰かが亡くなった(入院した)など、犬の生活環境に変化があったとき

生活環境の変化は、犬だけでなく人にも大きな不安やストレスを与えます。

飼い主さん自身も大変かとは思いますが、だからこそ、いつも以上に声掛けをしたり、スキンシップを多めにとるなどして、愛犬の不安やストレスを緩和できるよう努めましょう。

体調が悪いとき発情期

体調が悪そうな場合はなるべく早く病院に連れて行きましょう。

避妊・去勢手術に関しては、飼い主さんの考え方や犬の健康状態にもよりますが、てんかん発作を起こす犬の場合は、手術を受けることにより「発情期に伴う興奮」リスクは除外することができます。

犬のてんかんの診断に必要な検査と平均費用

犬のてんかんは原因が多岐に渡るため、「けいれん」を起こしたからといってすぐに診断がつくわけではありません。

「てんかん」を診断するためには、「てんかん」以外の可能性を排除するために様々な検査をおこなう必要があります。

犬のてんかんの診断に必要な検査とその流れ、平均費用について下の図にまとめてみました。

  • 費用は保険適用外の金額となります。
  • 動物医療は自由診療のため、費用は平均の金額となります。
  • 動物病院や獣医師の方針によって検査の流れは異なります。
犬 ちょちょブログ てんかん 発作 検査 フローチャート 平均費用
てんかんの診断に必要な検査のフローチャートと平均費用
ちょちょ

MRIとか脳脊髄液検査ってかなり大掛かりな検査じゃない?

りあ

そうなんだよ。
設備の整った大学病院などに行かないと検査することが難しいんだ。

老犬や基礎疾患がある犬の検査は慎重に考えたほうがいい理由3つ

老犬や基礎疾患がある犬の場合、てんかんの検査を慎重に考える必要があります。

その理由には、以下の3つが挙げられます。

1.麻酔リスクの高さ

老犬や基礎疾患のある犬は、麻酔リスクが高い場合があります。


MRIや脳脊髄液検査を受けるには、全身麻酔が必要になるため、老犬や基礎疾患のある犬の場合、呼吸困難血圧低下心不全内臓機能低下などのリスクが上がる可能性があります。

2.診断に至らないことが多い

犬のてんかんは、中枢神経系の疾患の一種で、脳の神経細胞の異常な放電によって発作が引き起こされる病気です。

そのため、検査をしても異常が見つからないケースが多いです。

原因が特定できない場合は「特発性てんかん」と診断されます。

一方で、脳腫瘍・脳の外傷・代謝異常・感染症・薬物中毒などが原因だった場合は、検査を受けることで異常が見つかることもあります。

3.費用がかかる

犬のてんかんの検査には、MRIや脳脊髄液検査など保険適用外で数十万円かかる検査があります。

老犬や基礎疾患のある犬の場合、病気の治療や介護にも費用が必要となるため、高額な検査費用とリスクを考慮する必要があります。

特発性てんかんの治療法と抗てんかん薬について

犬がてんかんと診断された場合、約70%は原因が明確に特定することができない「特発性てんかん」です。

原因を特定することができないため、完治が難しく、治療方法は、投薬によりてんかん発作の症状を抑える対処療法が主流となります。

犬の抗てんかん薬の種類と主な副作用

犬のてんかん治療に使用する抗てんかん薬には以下のようなものがあります。

犬のてんかん治療に使用する抗てんかん薬のなかには、人間と同じ薬剤を使用するものもありますが、犬用に特化した抗てんかん薬もあります。

そのため、獣医師の指導のもと、愛犬に適した抗てんかん薬を選択することが重要です。

犬の抗てんかん薬:種類
  • フェノバルビタール(フェノバール)
  • ゾニサミド(コンセーブ・エピレス)
  • レベチラセタム(イーケプラ)
  • 臭化カリウム
  • ガバペンチン(ガバペン)
  • プレガバリン
犬の抗てんかん薬:主な副作用
  • ふらつき
  • 多飲多尿
  • 食欲増加または減退
  • 吐き気
  • 元気消失
  • 肝機能障害
りあ

犬の抗てんかん薬については、こちらで詳しく解説しています。
興味のある方は読んでみてください。

絶対にダメ!抗てんかん薬を自己判断で中止することのリスクについて

犬の抗てんかん薬には様々な種類があり、なかには愛犬の体質に合わない薬もあるかもしれません。

抗てんかん薬の副作用は、投薬を開始してから1~2週間で落ち着いてくるのが一般的ですが、継続が難しいほどの症状が出てしまう場合もあります。

こんな副作用がでたらすぐに動物病院へ!
  • ご飯を食べなくなってしまった
  • 嘔吐を繰り返す
  • 下痢・便秘が3日以上続く
  • 熱がある
  • 皮膚に発疹ができたり、赤くなってきた
  • 歯茎や目が黄色くなってきた(黄疸)
  • 体を震わせて辛そうにしている
りあ

これらの副作用が現れた場合は、その抗てんかん薬が愛犬の体に合っていない可能性が高いので、一刻も早く動物病院を受診し、獣医師の診察を受けてください。

りあ

愛犬が辛そうだからといって、自己判断で抗てんかん薬の服用を中止してはいけませんよ!!

ちょちょ

勝手に服用をやめるとどうなっちゃうの?

自己判断で抗てんかん薬の服用を中止すると、以下のようなリスクがあります。

1.てんかん発作が再発する

抗てんかん薬を自己判断で中止すると、てんかん発作が再発する可能性があります。

犬のてんかん発作は、脳の異常な活動によって引き起こされるため、薬をやめることで発作の頻度や強さが増すことがあります。

2.薬物中毒

抗てんかん薬を中止する場合は、獣医師の管理のもと、徐々に投与を中止する必要があります。

自己判断で急に投薬を中止すると、薬物中毒の症状が現れる危険性が高まります。

薬物中毒の主な症状には、嘔吐・下痢・震え・筋肉の硬直・けいれんなどがあります。

3.治療抵抗性てんかんの発生

治療抵抗性てんかんとは、抗てんかん薬が効かなくなってしまった状態のことをいいます。

治療抵抗性てんかんを発症してしまうと、今後のてんかん治療が非常に困難なものとなります。

犬に抗てんかん薬を飲ませ忘れてしまった場合の対処法

ちょちょ

抗てんかん薬を勝手にやめると、とっても怖いことになるのはよく解ったけれど、もし飲み忘れちゃった場合はどうしたらいいの?(泣)

りあ

1回分をうっかり飲み忘れてしまった程度では、こんな怖いことにはならないから大丈夫だよ。

犬の抗てんかん薬を1回分飲ませ忘れた場合は、そのまま次の投与時刻に1回分の薬を与えて1日様子をみましょう。

24時間以内にてんかん発作を起こすようなことがなければ、そのまま継続していって問題ありません。

りあ

飲ませ忘れたからといって、本来の投薬量より増やして服用させないよう注意してください。

2回分以上抗てんかん薬を飲ませ忘れてしまった場合は、薬の血中濃度が低下し、てんかん発作のリスクが高まることがあります。

飲み忘れに気づいた時点ですぐに動物病院へ連絡し、獣医師の指示を仰ぎましょう。

飲ませ忘れを防止するにはケータイのアラーム機能が便利

抗てんかん薬の飲ませ忘れを防止するには、ケータイのアラーム機能が便利です。

他にも、

  • 冷蔵庫やトイレのドアなど、1日に何度も目に留まるような動線上にメモを貼りつけておく
  • 犬のご飯やおやつが置いてある場所に薬も一緒に置いておく

なども飲ませ忘れ防止対策として有効です。

犬の特発性てんかんの治療に必要な平均費用

犬が特発性てんかんと診断された場合、治療にかかる平均費用は、

  • 投薬のみの場合:5千円~1万円/1か月分の処方
  • 血中濃度測定を実施する場合:1万5千円~3万円

くらいになります。

  • 費用は保険適用外の金額となります。
  • 動物医療は自由診療のため、費用は平均の金額となります。
  • この他に診察料や処方料がかかる場合があります。

血中濃度測定とは、血液中の薬剤の濃度を測定する検査のことで、犬の体内での薬剤の代謝状態や排泄状態、効果や副作用を正確に把握するために必要な検査です。

てんかんの犬におすすめの食材と療法食

ここからは、てんかんの犬に食べさせると良いおすすめの食材と療法食を紹介していきます。

てんかん治療の基本は、抗てんかん薬によって発作の症状を抑えることです。食事療法はあくまでも補助治療となります。食事療法を取り入れる際は、必ず獣医師の指導のもと、実施するようにしてください。

てんかんの犬におすすめの栄養素と食材

ブドウ糖

てんかん発作を起こすと、犬の体内のブドウ糖が急激に消費されます。

このため、発作後に低血糖症状が起こる危険性があります。

ブドウ糖を与えることで低血糖症状を予防することができます。

また、犬の体内に十分なブドウ糖がある場合、脳が正常に機能するために必要なエネルギーが供給されるため、てんかん発作の頻度を減らすことができる可能性があります。

ブドウ糖を多く含む主な食材
  • 白米
  • オートミール
  • ジャガイモ
  • バナナ
  • りんご
  • オレンジ
  • さつまいも
  • 人参

抗酸化物質

抗酸化物質には、酸化ストレスを減らす効果があります。

てんかんの犬は、発作によって脳細胞に酸化ストレスを受けやすいため、抗酸化物質を積極的に摂取し、酸化ストレスを減らすことが重要です。

抗酸化物質の代表的なものとしては、ビタミンE、ビタミンC、セレニウム、カロテノイドなどがあります。

抗酸化物質を多く含む主な食材
  • 鮭(サーモン)
  • 鱈(タラ)
  • マグロ
  • 人参
  • かぼちゃ
  • ジャガイモ
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • りんご
  • いちご

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸には、抗炎症作用や神経保護作用があるとされ、てんかんの犬の脳細胞の損傷を軽減することが期待されています。

また、オメガ3脂肪酸は、犬の脳神経に必要な栄養素であるにもかかわらず、意識して摂取しないと不足しがちになってしまう栄養素でもあります。

オメガ3脂肪酸を多く含む主な食材
  • 鮭(サーモン)
  • 鱈(タラ)
  • マグロ
  • イワシ
  • さんま
  • サバ
  • アジ
  • 亜麻仁油

ビタミンB6

ビタミンB6は、脳と神経系の正常な機能に必要不可欠なビタミンであり、てんかんの治療に役立つことが知られています。

ビタミンB6は、体内でグルタミン酸とともにGABA(γ-アミノ酪酸)と呼ばれる神経伝達物質を作り出すために必要な成分であり、GABAは脳内の興奮を抑制することでてんかん発作を抑える効果があるとされています。

ビタミンB6を多く含む主な食材
  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 豚肉
  • マグロ
  • イワシ
  • 鮭(サーモン)
  • サバ
  • 豆腐
  • 納豆
  • サツマイモ
  • ジャガイモ
  • バナナ

犬のてんかん療法食:ピュリナ社の「NCニューロケア」とは

ピュリナ社より、2019年6月に犬のてんかん療法食として、

NC|ニューロケア」が販売されています。

「NCニューロケア」の製品情報

フードタイプドライフード
用量1kgのみ
値段4,980円
購入方法公式サイトでのみ販売

「NCニューロケア」の入手方法

STEP
動物病院で診察を受ける
STEP
獣医師が患犬情報をピュリナ社に登録
STEP
登録完了後にピュリナ社から飼い主へ案内メールが届く
STEP
メールから手続きを行い、飼い主自身で「NCニューロケア」を注文する
ちょちょ

高いうえに、購入方法も手間がかかるな…

りあ

療法食だから高いのは仕方ないにしても、もうちょっと手軽に買えるようにしてもらいたいよね…

商品の値段や、購入方法の複雑さに二の足を踏んでしまうかもしれませんが、ピュリナ社の臨床実験によると、薬物療法で効果がなかった犬に「NCニューロケア」を与えてみたところ、71%にてんかん発作の回数減少が認められ、さらにその中の14%の犬はてんかん発作を起こすことが無くなったという結果があるようです。

投薬治療が難しくなってしまった犬には勿論のこと、この療法食が愛犬に合えば、薬の量を減らしたり、投薬自体が必要なくなる可能性も秘めています。

まとめ:「てんかん」の正しい知識を身につけ、愛犬の生活の質を向上させよう

犬のてんかんは、飼い主にとっても犬にとってもつらい病気です。

ですが、正しい知識と対処方法を身につければ、愛犬の生活の質を改善することができます。

また、病気に対する正しい知識を持つことで、飼い主自身も冷静に対処できるようになります。

この記事が、「てんかん」と闘っている犬と飼い主さんの助けになれば幸いです。

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