「ドッグフードに使われている危険な添加物や原材料について知りたい」
「危険な添加物や原材料が使われているドッグフードを避ける方法が知りたい」
はじめまして。
自身の無知が原因で危険な添加物が使用されているドッグフードを半年間も与え続けてしまっていた飼い主の「りあ」です…
ちょちょだよ。
危険な添加物とか原材料とかよく解らないけれど…
食べる側としてはやっぱり安心安全なごはんが食べたいな☆
皆さんはドッグフードを選ぶとき、何を基準に選んでいますか?
- 国産のドッグフード
- グレインフリー、グルテンフリー、無添加のドッグフード
- 動物病院やペットショップ、ブリーダーから薦められたドッグフード
どれも一見すると信頼性が高そうに見えますが本当にそうでしょうか?
「国産・無添加とパッケージに書かれているから大丈夫」
「獣医師やブリーダーから薦められたドッグフードだから安心安全」
こういった根拠のない理由でドッグフードを選んでいませんか?
私自身も愛犬を保護して半年程は上記のように考えていたので、ペットショップに売られているドッグフードを何も考えずに購入し与え続けていました。
ですが、私自身の無知さを痛感させられる出来事が起こります。
それは愛犬が膀胱炎になってしまい、動物病院で療法食のサンプルを頂いたときのことです。
なんとなくパッケージの裏を確認してみると、そこには普段私が食品を選ぶときに避けている添加物の名前が記載されていたのです!
私たち飼い主が勘違いしやすい盲点でもあるのですが、獣医師は犬の病気や怪我を治すプロ、ブリーダーは犬の特性や飼育に関する知識を教えてくれるプロであり、化学合成物質や加工食品に関しては専門外です!
なので、例え獣医師やブリーダーから薦められたドッグフードでも絶対に安心安全とは限らないということを私たち飼い主も今一度念頭に入れておく必要があります。
この記事では、自身の無知が招いた失敗を糧に、ドッグフードに使用されている危険な添加物・原材料を可能な限り調べ上げて一覧にしました。
当記事で掲載している添加物・原材料が含まれているドッグフードを与えているからといって、直ちに何か異常がでるわけではありません。ですが、長期的に摂取し続けた場合の影響も解明されていません。私個人としては、犬の健康にどんな影響があるのか解らないような添加物や原材料は避けたほうがよいという考えの元に執筆しています。
当記事で掲載している添加物・原材料は「化学合成物質」「加工食品」に限定しています。天然由来の添加物や原材料(生姜やアボカド等)は対象外としております。
- 危険な酸化防止剤・保存料・保湿剤一覧
- 危険な合成着色料一覧
- 危険な合成甘味料一覧
- 注意が必要なその他の添加物一覧
- 危険な原材料一覧
- 注意が必要な原材料一覧
- 危険な添加物や原材料が使用されているドッグフードを避ける方法
絶対に避けたい!危険な酸化防止剤・保存料・保湿剤一覧
酸化防止剤や保存料には、ドッグフードの酸化やカビの発生を防ぎ、鮮度や栄養価の維持、腐敗を防ぐ役割があります。
酸化防止剤や保存料には「天然由来のもの」と「化学合成物質」があり、後者は犬の健康に悪影響を与える可能性が指摘されているものもあるため注意が必要です。
エトキシン
エトキシンは、アメリカ軍がベトナム戦争中に農作物を汚染し、食糧を奪うために散布した枯葉剤の酸化防止剤として使用されていたことでも有名な化学合成物質です。
動物や人間の体内に入った場合、正常なホルモンに影響をもたらす可能性が指摘されています。
他にも、発がん性、肝機能障害、遺伝毒性の危険性も指摘されています。
エトキシンの安全性については様々な動物実験が実施されており、犬を対象とした動物実験では、血液・尿・臨床化学的評価項目に変化は見られなかったと報告されている一方で、ラットを対象とした動物実験では、膀胱に単純過形成及び乳頭状・結節性過形成が認められました。
こういった背景から、現在でもドッグフードに対しては、ペットフード安全法に定められている基準値内であれば酸化防止剤として使用することが認められています。
ちなみに日本では、人間の食品に添加物として使用することは禁止されています。
- 飼料添加物・農薬評価書「エトキシン」:食品安全委員会
えぇぇぇぇ!?
人間の食べ物には使用が禁止されているような酸化防止剤なのに、何でドッグフードはOKなの!?酷いよぉぉぉ(泣)
私たち人間が食べる食品の安全管理は厚生労働省の管轄ですが、犬を含めた動物は農林水産省の管轄です。
厚生労働省と農林水産省では安全に対する基準が違うため、このようなことが起こってしまうのです。
人への使用は禁止されている危険な酸化防止剤なので、愛犬の健康を考えるのであれば絶対に避けたほうがよいと思います。
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
BHAは、元々ガソリンの酸化防止剤として合成された脂溶性の化学合成物質です。
長期的な摂取により、生殖機能障害、発がんリスクの増加など、健康問題を引き起こすことが確認されています。
厚生労働省はBHAの使用を禁止しようとしましたが、基準内であれば体に害はないという見解から、1954年に制限の範囲内であれば食品に使用してもよいと認可されています。
その後、1980年代に日本国内でラットに対する発がん性の実験が行われ、弱いながらも発がん性が認められました。
1998年には、食品衛生調査会でもラットに対する発がん性を確認しています。
なお、IARC(国際がん研究機関)の分類では、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」という分類になっています。
人間用の食品に使用する場合は厳しい制限が設けられていますが、ペットフード安全法における使用制限は、エトキシキン・BHA・BHTの合計量がペットフード1g中150μgを超えてはならないとかなり大雑把に設定されているため、愛犬の健康を考えるのであれば絶対に避けたほうがよい添加物の一つです。
え…元はガソリンの酸化防止剤だったうえに発がん性も確認されているのに、未だに食品への使用が認められているなんてなんか怖いね…
厚生労働省が「一度は使用禁止にしようとした」のに認可されたってところに不信感が湧くよね…
BHT(ブチルヒドロキシトルエン)
BHTは、元々石油用の酸化防止剤として合成された脂溶性の化学合成物質です。
長期的な摂取により、肺や肝臓などの臓器に障害を起こす恐れがあります。
また、変異原性(遺伝子に異常を起こさせる毒性)、発癌性、皮膚炎、過敏症、体重低下、脱毛などが報告されている毒性の強い添加物です。
動物実験では、ラットの脂肪組織への沈着や肺腫瘍の発生、妊娠中のラットから生まれた子供に無眼球が生じた例が数例認められました。
犬に関しては、体重1kg当たり1.4~4.7gのBHTを2~4日おきに4週間に渡って投与したところ、軽度から中程度の下痢が誘発されたとの報告があります。
しかし、厚生労働省はBHTが直接的な毒性を示すことはないと明言しています。
さらに、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、基準に沿って使用した場合に限り食品添加物としては「一般的に安全」とみなしています。
こういった背景から、人間用の食品に使用する場合は厳しい制限が設けられていますが、ペットフード安全法における使用制限は、エトキシキン・BHA・BHTの合計量がペットフード1g中150μgを超えてはならないとかなり大雑把に設定されているため、愛犬の健康を考えるのであれば絶対に避けたほうがよい添加物の一つです。
こっちも元は石油用の酸化防止剤だったうえに動物実験でも様々なリスクが指摘されているにも関わらず、未だに食品への使用が認められているんだね…
実験結果と安全性に対する評価が矛盾しまくっているよね…
没食子酸プロピル
没食子酸プロピルとは、没食子酸とプロピルアルコールを結合させて作られた化学合成物質です。
強力な酸化防止剤として知られるBHTやBHAよりも抗酸化作用が強いのが特徴です。
没食子酸プロピルの安全性については有識者の間でも賛否が分かれていましたが、平成21年に厚生労働省が実施した「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」では、微量の摂取では体重増加の阻害、肝臓や甲状腺の肥大、脾臓のうっ血などが確認されています。
また、遺伝子の異常を引き起こす変異原性の危険性もあるとされ、発がんへの影響に注意が必要と記載されています。
人間用の食品に使用する場合は厳しい制限が設けられていますが、ペットフード安全法では制限がかけられていません。
- 既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究:厚生労働省
ちょちょ達が食べるドッグフードに対しては使用制限がかけられていないのか…
没食子酸プロピルに関してはここ数年で安全性を疑問視する声が高まってきています。
愛犬の健康を考えるのであれば避けたほうがよい添加物だと思います。
亜硫酸ナトリウム
亜硫酸ナトリウムは、ワインの酸化や過発酵を防ぐために古くから使用されてきた酸化防止剤並びに発色剤です。
別名、「亜硝酸塩」や「亜硝酸ソーダ」とも呼ばれています。
肉類に含まれるアミンという物質と化学反応を起こすと、「ニトロソアミン」と呼ばれる発ガン性物質が発生する可能性があります。
また、ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムを一緒に加熱した場合、「エチニル酸」という発がん性物質が作られることも確認されています。
ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムは肉類との相性が良いため、ドッグフードは勿論、おやつのジャーキーにもよく使われがちな組み合わせのため要注意です!
ペットフード安全法における使用制限は、ペットフード1g中100μgとなっています。
安息香酸ナトリウム
安息香酸ナトリウムは、安息香酸にナトリウムを結合させて作られた化学合成物質です。
原材料欄には「安息香酸ナトリウム」と表示される場合と、「安息香酸Na」と省略されているケースがあります。
ビタミンCなどの酸と一緒に摂取すると、白血病のリスクや発がん性のある猛毒「ベンゼン」が生成されるため、危険な保存料として認識されています。
2006年にイギリスなどにおいて、安息香酸ナトリウムとビタミンCを含んだ清涼飲料水から低濃度のベンゼンが検出され、国が食品メーカーに対して自主回収を勧告するという騒ぎになったこともあります。
ドッグフードへの使用はそれほど多くはありませんが、シャンプー・イヤークリーナー・歯磨きグッズなどには頻繁に使用されているため要注意です!
日本国内では無害であり安全性は高いと評価されている一方で、人間用の食品に使用する場合は厳しい制限が設けられています。
なお、ペットフード安全法では制限がかけられていません。
- 清涼飲料水中のベンゼンの分析:東京都健康安全研究センター
安息香酸ナトリウムは日本と諸外国での安全性に対する見解に随分開きがあるんだね…
安全性は高いと評価している割に使用制限が設けられているところにも不信感が湧くよね…
プロピレングリコール
プロピレングリコールは、石油を原料とした有機化合物です。
原材料欄には「1,2-プロパンジオール」「1,2-ジヒドロキシプロパン」、略称として「PG」と表記されることもあります。
生物の体内にも存在する物質であることから一般的に毒性は低く、低用量であれば摂取しても安全だとされている一方で、法律で危険物第4類として分類されており生活環境保全条例においては規制対象物質とされています。
食品添加物として使用する場合は定められた基準を守ることに加え、成分表示指定が義務付けられています。
長期的な摂取により、犬によっては肝臓の数値が上昇する、腸がうまく働かなくなる、皮膚アレルギーを起こすなどの可能性があると言われており、なかでも「肝臓の数値が上昇する」という症状は、動物実験や多くの獣医師によって確認されています。
また、水を吸収する性質をもっているため、犬によっては腸の働きが悪くなったり腸閉塞になる危険性も指摘されています。
プロピレングリコールは、ウェットフード、ソフトドライフード、セミモイストフードと呼ばれる水分を25~35%程度含んだ半生タイプのドッグフードによく使われています。
他にもジャーキーや歯磨きガムなど、柔らかくしっとりとした食感の犬用おやつにもよく使われています。
ペットフード安全法では、キャットフードへの使用は禁止されていますが、ドッグフードへの使用制限はかけられていません。
この添加物も事実と評価が矛盾しまくりで信用ならないな…
てかドッグフードも使用禁止にしてくれよ…
ドッグフードは毎日食べるものなので、結果的に過剰摂取に繋がってしまう恐れがあります。
実際に健康被害の報告も上がっている添加物なので、愛犬の健康を考えるのであれば絶対に避けたほうがよい添加物の一つです。
危険なうえにドッグフードには必要ない!合成着色料一覧
着色料が添加されたドッグフードやおやつは、私たち飼い主から見ると鮮やかで美味しそうに見えますが、犬にとっては全く必要のないものです。
着色料には「天然由来のもの」と「合成着色料」があり、後者は犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
なかでもタール系色素は石油から作られる合成着色料で、発がん性やアレルギーの懸念が指摘されています。
動物実験では、甲状腺腫瘍や赤血球減少、消化器症状が現れたり、発がん性などが認められています。
こうした実験結果を受けて、一部の国(ドイツ、アメリカ、ポーランド、ノルウェーなど)では食品への添加が禁止されています。
しかし、日本では現在も一日の摂取量を守れば毒性はないとされています。
- 赤色2号(アルミニウムレーキ)
- 赤色3号(エリスロシン)
- 赤色40号(アルラレッドAC)
- 赤色102号(ニューコクシン)
- 赤色104号(フロキシン)
- 赤色105号(ローズベンガル)
- 赤色106号(アシッドレッド)
- 青色1号(ブリリアントブルーFCF)
- 青色2号(インジゴカルミン)
- 黄色4号(タートラジン)
- 黄色5号(サンセットイエローFCF)
- 緑色3号(ファストグリーンFCF)
ペットフード安全法では着色料の使用制限はかけられていません。
ちょちょ達犬にとっては見た目よりも味のほうが大事だから、安心して食べられるドッグフードを選んでほしいな。
実は一番危険!?合成甘味料一覧
甘味料にはドッグフードの風味を向上させたり、食いつきをよくする役割があります。
甘味料には「天然由来のもの」と「合成甘味料」があり、後者は犬の健康に悪影響を与える可能性が指摘されているものもあるため注意が必要です。
キシリトール
キシリトールは、白樺や樫などの木から採れるキシランヘミセルロースと呼ばれる物質を化学変化させて作られた天然由来の人工甘味料です。
犬にとってはまさに危険度S級の添加物で、摂取すると重篤な低血糖症状や肝機能障害を引き起こす危険性があります。
キシリトールは、犬の体内でインスリンを下げるホルモンを大量に放出する働きをします。
これにより血糖値が急激に下がり、低血糖を引き起こしたり、肝機能障害を引き起こす恐れがあります。
一般的に、犬の体重1kg当たり0.1gのキシリトールを摂取すると低血糖症状が起き、0.5gで急性肝不全を起こすと言われていますが、ごく少量でも中毒を起こすことがあるため、犬には絶対にキシリトールを与えてはいけません!
これほどまでに危険なキシリトールですが、ペットフード安全法では使用制限がかけられていません。
それ故、いまだにドッグフードや歯磨きガムなどに配合している商品もあるので要注意です!
ちょっとぉぉぉぉ‼
そんな危険な添加物なのに何で禁止にしてくれないんだよぉぉぉぉ(泣)
日本は動物愛護後進国だからね…
現状は私たち飼い主が気をつけて自衛していくしか方法がないんだよ…
犬がキシリトールを誤食してしまった場合は、速やかに獣医師の診察を受けましょう。スムーズに診察を受けるために大体でもいいので
・何に含まれているキシリトールを
・どれくらい食べてしまったか
を説明できるようにしておくことをオススメします。
- 米国食品医薬品庁(FDA)、キシリトールの犬に対する危険性を公表:食品安全委員会
グリシリジン・アンモニエート
グリシリジン・アンモニエートは、甘草の根や茎から抽出される人工甘味料です。
安全性が完全には認められていないグレーゾーンの甘味料で、人間の食品への使用は認められていません。
ソルビン酸カリウムと反応すると発がん性物質を生成する可能性が示唆されています。
ペットフード安全法でも使用制限がかけられていません。
そんな危険極まりない添加物をドッグフードに入れないでよぉぉぉぉ(泣)
グリシリジン・アンモニエートは、得体の知れない人工甘味料なので絶対に避けたい添加物の一つです。
使用方法や量によっては危険!注意が必要な添加物一覧
ここでは、使用方法や量によっては危険になる場合がある要注意添加物を紹介していきます。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは、カビ、酵母、細菌などの微生物による腐敗を防ぐ効果を持つ保存料です。
食品衛生法で認められている保存料で、単体で使用する場合はそれほど危険ではありません。
ん?
「単体で」ってことは何かと一緒にすると危険ってこと?
そう!
同時摂取すると危険な添加物の名前は「亜硝酸ナトリウム」!
ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムを一緒に加熱した場合、「エチニル酸」という発がん性物質が作られることが確認されています。
ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムは肉類との相性が良いため、ドッグフードは勿論、ジャーキーにもよく使われがちな組み合わせのため注意が必要です。
添加物評価書「ソルビン酸カリウム」:厚生労働省
増粘多糖類
増粘多糖類は、食品にとろみや粘りを与えて食感を良くしたり、固形分と水分の分離を防ぎ、品質を安定させるために使用される添加物です。
原材料欄には「増粘剤」、「安定剤」、「ゲル化剤」、「糊料」と表記されることもあります。
主にウェットフード、ソフトドライフード、セミモイストフードと呼ばれる水分を25~35%程度含んだ半生タイプのドッグフードや、チュールによく使われています。
ほとんどが植物から抽出した成分のため、犬の健康に影響する成分は含まれていないと報告されています。
ん?
ってことは全てが植物由来ではないってこと?
そう!よく気がついたね!
増粘多糖類の問題点は「成分表示方法」にあるんだよ!
増粘多糖類は、2種類以上の多糖類を使用した場合、すべての多糖類の物質名を書かずに省略して「増粘多糖類」と記載することができます。
増粘多糖類のなかには、IARC(国際ガン研究機関)で発がん性グループ2Bに分類されており、ラットによる動物実験で消化管に潰瘍および発がん性が確認されている「カラギーナン」や、危険度S級の添加物でも紹介した「プロピレングリコール」も含まれています。
- 食品表示法等(法令及び一元化情報):消費者庁
- IARCでGroup 1〜2Bとされているもの:厚生労働省
危険度S級の原材料一覧
ドッグフードには様々な加工食品が使用されていますが、そのなかでも絶対に避けたい危険度S級の原材料を紹介していきます。
4Dミート
4Dミートとは、
- 食肉用以外の理由で死んだ動物
- 病気で死んだ動物
- 死にかけの動物を殺して得た肉
- 障害があった動物の肉
これら4つの肉が使用されている加工食品です。
4Dミートは、レンダリングプラントと呼ばれる動物性脂肪精製工場で作られます。
この工場では、人間の食用にならない動物の各部位(屑肉、内臓、脳、血液、骨、脂肪など)を高温で加熱し脂肪を抽出します。
抽出された脂肪は、石鹸、化粧品、潤滑油、ろうそく、ワックスなどの原料として精製されます。
そして、残りの「タンパク質」が動物性タンパク質として乾燥され肉骨粉となり、4Dミートとしてドッグフードの原材料として使用されているのです。
4Dミート自体が犬に有害かどうかは分かっていませんが、アメリカでは4Dミートを使用したドッグフードが原因で、2014年にグレイハウンドの犬舎で2頭が死亡し、100頭の犬が病気を発症、2017年に1頭が死亡し、72頭が病気を発症するという事件がありました。
- 4Dミートはコスト削減のためにレース業界で使用されています:Grey2K USA
なんでそんな危険極まりないうえに最早食べ物ですらないものをドッグフードに入れるのぉぉぉ~⁉(泣)
さらに問題なのは、ドッグフードの原材料表示には4Dミートの表示義務がないため、避けることが非常に難しいという点です。
はぁぁぁぁぁぁ⁉(怒)
表示義務がないってどーゆーこと⁉
日本はペット後進国と言われて久しいけれど、
ここまで酷いとは私も思わなかったよ…
4Dミートが使用されている可能性がある原材料表記には「〇〇ミール」、「〇〇ボーンミール」、「家禽ミール」、「〇〇副産物」、「〇〇類」などがあります。
ですが、これらが表記されているからといって、必ずしも4Dミートが含まれているわけではありません。
詳しくは「注意が必要な原材料一覧」で解説しています。
注意が必要な原材料一覧
ドッグフードには様々な加工食品が使用されていますが、加工食品だからといって全てが危険なわけではありません。
ですが、使用部位や製造方法によっては危険になる場合もあります。
ここでは、そういった注意が必要な原材料を紹介していきます。
〇〇ミール
ドッグフードの原材料表示にある「〇〇ミール」とは、肉や魚を乾燥させて粉状にしたものを指します。
ドッグフードとして加工する際に再び高温で加熱されることになるので、一定の栄養素や旨味、香りは失われてしまいますが、生肉よりもタンパク質を凝縮させることができるため、タンパク質が多いドッグフードを作ることができます。
また、脂質や水分が取り除かれているため傷みにくく、輸送コストを抑えることができます。
「〇〇ミール」が注意するべき原材料となっている理由は、原材料表示からは何の動物の、どの部位を使っているのかがわからないという点です。
ペットフードの栄養基準やラベル表示のルールなどのガイドラインを設けているAAFCO(全米飼料検査官協会)によると、ミールとして使用しても良いとされる部位は、食用部位のみを乾燥させた「粉末」です。
つまりこれらに該当しない部位(血液、蹄、角、毛、羽毛、内臓の内容物、糞尿)は、ミールとして使用することは認めていないということになります。
しかし、これはあくまでAAFCOの定義であり、この通りにしなければならないと法律で定められているわけでもないため、4Dミートが絶対に使用されていないという保障にはなりません。
- AAFCOによるペットフードの原料の定義:Amepe.com
〇〇副産物
ドッグフードの原材料表示にある「〇〇副産物」とは、屠殺された動物の肉以外の部分(肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、および部分的に脱脂された低温脂肪組織、および内容物を含まない胃や腸など)のレンダリングされていない清潔な部位のことを指します。
副産物の多くの割合を占める内臓は、タンパク質の他にもビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれています。
「〇〇副産物」が注意するべき原材料となっている理由は、原材料表示からは何の動物の、どの部位を使っているのかがわからないという点です。
ペットフードの栄養基準やラベル表示のルールなどのガイドラインを設けているAAFCO(全米飼料検査官協会)によって、副産物として使用しても良いとされる部位の定義はされていますが、これはあくまでAAFCOの定義であり、この通りにしなければならないと法律で定められているわけでもないため、4Dミートが絶対に使用されていないという保障にはなりません。
- AAFCOによるペットフードの原料の定義:Amepe.com
加水分解〇〇
ドッグフードの原材料表示にある「加水分解〇〇」とは、肉や魚に加水分解処理を施したものを使用していますということを表しています。
加水分解とは、タンパク質を吸収しやすくするために、酵素などを加えてアミノ酸に分解することです。
食べ物は、消化管の中で胃酸や消化酵素、消化液などによって分解され、タンパク質はアミノ酸まで細かくなってから体内に吸収されていきます。
加水分解処理を施すことで、消化吸収率が高まるだけではなく、アレルギーの原因となるタンパク質の状態ではなく、アミノ酸レベルで体内に取り込むことができるようになるため、アレルギー症状を起こしにくくなると言われています。
消化吸収やアレルギーに配慮が必要な療法食に使用されることが多いです。
「加水分解〇〇」が注意するべき原材料となっている理由は、原材料表示からは加水分解の方法がわからないという点です。
ドッグフードの加水分解タンパクの製造方法は、主に下の3つになります。
- 熱水抽出法
- タンパク質を熱水で煮ることで抽出する方法
- 酵素分解法
- タンパク質をプロテアーゼなどの酵素を使って分解する方法
- 塩酸分解法
- タンパク質を塩酸などを使って分解する方法
熱水抽出法と酵素分解法は安全な分解方法なのですが、コストが高いという問題があります。
一方、塩酸分解法はコストが安いため、ドッグフードの「加水分解〇〇」の主流の製造方法となっています。
強酸を用いて分解するため、分解される際にクロロプロパノールという発がん性物質が生成されることが確認されています。
さらに、塩素と反応して数多くの不純物が生成されることも確認されています。
現在、WHO(世界保健機関)やFAO(国際連合食糧農業機関)などの国際機関が安全性を検討しています。
国際機関が安全性の検討をしているような分解方法です。
愛犬の健康を守るためにも塩酸分解法を使って加水分解しているメーカーのドッグフードは避けたほうが賢明です。
ビートパルプ
ビートパルプは、甜菜(サトウダイコン)から糖分を絞り出した後の「残りカス」です。
残りカスとはいえ、僅かに糖分が残っているため甘味料として使用されることがあります。
食物繊維も豊富ですが、残りカスであるビートパルプに栄養素は殆ど残っておらず、「かさ増し」のために使われていると考えてよい原材料です。
そもそも犬は食物繊維の消化が苦手なので、ビートパルプを効率よく消化することができません。
長期的な摂取により、慢性的な便秘を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
さらにドッグフードに使用されているビートパルプは、硫酸系の薬剤を使用して分離・精製されている可能性が非常に高いです。
使用している全てのドッグフードが薬品を利用して分離・精製を行っているとは言い切れませんが、メーカー側にとっては手間もかからずコストも安いこちらの方法が取られていることが多いと思われます。
う~ん…
栄養もない・消化もしにくい・残留薬品が体の中に入ることになる…
デメリットしかない原材料だね。
ドッグフードの原材料表示の上位5番目以内に表示されている場合は「かさ増し」目的で使用されていると考えてほぼ間違いないので気をつけましょう。
危険な添加物や原材料が使用されているドッグフードを避ける方法4つ
ドッグフードには、私たちが想像している以上に危険な添加物や、注意したほうがよい原材料が使用されています。
なかには、原材料表示を確認しただけでは安全性がわからないようなものもあるため、ドッグフードを購入するときは、以下の4点に気をつけて慎重に選ぶことをおすすめします。
愛犬に適したドッグフードの基準を明確にしておく
まずは飼い主さん自身が愛犬に適したドッグフードの基準を明確にしておくことが何よりも重要です。
犬種、年齢、生活習慣、病気やアレルギーの有無によって愛犬に適したドッグフードは変わってきます。
ランキングサイトや口コミでどんなに評判が良いドッグフードでも、それが愛犬にも適しているとは限りません。
日頃から愛犬をよく観察し、ライフステージや体調に合わせてドッグフードを選んであげるようにしましょう。
参考までに、現在私がドッグフードを選ぶときの評価基準を記載しておきます。
- 老犬
- 腎臓、肝臓、胆のうに少々問題有
- 固いものを噛むのが苦手になってきた
- 食べムラが激しい
- 危険な添加物が使用されていない
- 危険な原材料が使用されていない
- 天然由来の添加物や安全性が証明されているものはOK
- 公式HPで安全性が確認できる原材料はOK
- 脂質・タンパク質・ナトリウム・カリウム・リンが制限されている療法食から選ぶ
こんな感じで、安全性に対する基準や、ライフステージ・体調に合わせた基準を自分の中で決めておくことで、愛犬に合うドッグフードを選びやすくなりますよ☆
購入前にドッグフードの原材料を確認する
愛犬に合いそうなドッグフードを見つけたら、購入前に原材料を確認するようにしましょう。
日本のペットフードの法律である「ペットフード安全法」では、ペットフードの名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所の5項目の表示を義務付けていますが、表示するスペースが小さすぎる場合などは、添加物以外の原材料は分類名(肉類、魚介類、野菜類、等)で表示してもよいことになっています。
この抜け穴を利用して「注意が必要な原材料一覧」の章で紹介したような「〇〇ミール」や「〇〇副産物」などに、4Dミートなどの粗悪な食材を混入させる悪徳メーカーも実在するので要注意です。
また、加水分解などで使用する加工助剤は表示が免除されます。
加工助剤の中には塩酸など、多くの不純物や発がん性物質の生成が確認されているものもあるので気をつけなければいけません。
- ペットフード安全法 表示に関するQ&A:農林水産省
ドッグフードメーカーの公式HPを確認する
購入前にドッグフードの原材料をチェックすることが大切なのはわかったけれど、省略表記が許されていたり、表示免除されているものはどうやって調べたらいいの?
詳細が分からない原材料や、気になる添加物がある場合は、ドッグフードメーカーの公式HPの「製品情報」や「よくある質問」を確認してみましょう。
自社製品に自信を持っているドッグフードメーカーは、公式ホームページ内で省略表記されている加工食品の詳細や加工方法について詳しく掲載しています。
例えば我が家の愛犬に与えているドッグフードメーカー「ハッピードッグ」は、「よくある質問」のコーナーで購入者から寄せられた原材料や加工方法に対する疑問に丁寧に回答してくれています。
「ハッピードッグ」の療法食である「サノN」と「VETリーナル」に関するレビュー記事を書いています。よければご覧ください♪
「ハッピードッグ」を試してみようかなって思われた方はこちらにリンクを貼っておきますのでどうぞ☆
勿論、子犬・成犬用のドッグフードもありますし、療法食のラインナップも「腎臓」の他に「アレルギー」や「ストルバイトケア」など豊富にありますよ♪
メーカーに問い合わせをしてみる
ドッグフードメーカーの公式ホームページを確認してもよくわからなかったり、記載が無い場合は「お問い合わせ」から直接確認する方法もあります。
折角良い商品を販売していても上手くアピールできていないメーカーも結構あるんですよね~
まともなメーカーであれば問い合わせをすれば返信があるはずです。
逆を言えば一週間以上たっても返信がないようなメーカーは、そもそも社会的信頼性に欠けるので避けたほうが無難です。
危険な添加物や原材料を把握して愛犬の健康を守ろう
日本は諸外国と比べるとペット後進国です。
人間の食べ物に使用する添加物や加工食品は、人体に危険がないように厳しい制限が設けられていますが、残念ながらドッグフードに対してはそうではありません。
リスクが曖昧な成分を含むドッグフードを愛犬に与えるか否かという問題に正解はなく、飼い主さんによって考え方は異なります。
しかし、リスクが少ない「天然由来の添加物」を使用しているドッグフードも沢山ありますし、原材料に関しても、自社製品に自信をもっているメーカーは、公式HPで積極的に内容や加工方法などの情報を公開しています。
私たち飼い主が少し頑張って知識をつけ、購入前に下調べをすることで、比較的安全性が保証されているメーカーのドッグフードを選ぶことができるようになります。
そしてそれは長い目で見れば愛犬の健康を守ることに繋がります。
この記事が、ドッグフード選びに悩まれている飼い主さんのお役に立てれば幸いです。