りあこんにちは。
老犬ダックスフンドのちょちょと暮らして13年の飼い主りあです。



ちょちょだよ。
今日はちょちょの顎と背中にできている表皮嚢胞(粉瘤)について体験談をお話していくよ☆
突然ですが、この記事を読んでくださっている読者の皆さんへ質問です。
下の2枚の画像を見て、どちらが悪性のできものか解りますか?




正解は、どちらも良性腫瘍である表皮嚢胞(粉瘤)です。
この2枚の画像は、我が家の愛犬にできた表皮嚢胞(粉瘤)の画像です。
上の画像の表皮嚢胞(粉瘤)は、嚢胞の中で細菌が繁殖し、膿がたまって炎症を起こしてしまった状態です。
表皮嚢胞(粉瘤)は、基本的には良性腫瘍とされています。
しかし、放置していると突然潰れて膿が出たり、出血したりすることがあるため注意が必要です。
さらに、潰れた部分から細菌が入り込むと感染を起こし、治療が長引いたり、最悪の場合は手術が必要になるケースもあります。
この記事では、我が家の愛犬にできた表皮嚢胞(粉瘤)の画像や体験談を交えながら、潰れてしまった場合の正しい対処法や、治療にかかる費用、良性・悪性の見分け方まで、できるだけわかりやすく解説しています。
「これって様子見でいいの?」「今すぐ病院に行くべき?」と迷っている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
- 表皮嚢胞(粉瘤)の原因や症状をわかりやすく解説
- 表皮嚢胞(粉瘤)が潰れたときの正しい対処法とやってはいけないこと
- 犬の表皮嚢胞(粉瘤)を放置すると起こるリスク
- 良性・悪性を見分ける検査方法と受診のタイミング
- 治療にかかる費用や期間


りあ
- 犬の飼育歴20年以上 飼育頭数は4頭
- 保護犬飼育歴10年以上
- ご長寿犬飼育中(現在20歳)
- 病気と向き合い愛犬と幸せに暮らす情報を発信
- X(Twitter)フォロワー1600人以上
犬の表皮嚢胞(粉瘤)とは?皮膚にできる「しこり」の正体
犬の表皮嚢胞(粉瘤)とは、皮膚の下にできる良性腫瘍のひとつで、「アテローム」と呼ばれることもあります。
表皮嚢胞(粉瘤)は、皮膚の内部に袋のようなものができ、その中に皮脂や角質などが溜まることで生じる腫れです。
表皮嚢胞(粉瘤)は、しこりや小さな膨らみとして触れることが多く、見た目や触った感触だけで良性・悪性を判断することはできません。
また、状態によっては治療が必要になるケースもあるため、正しい知識を持って経過を見守ることが大切です。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)はなぜできる?考えられている原因
犬の表皮嚢胞(粉瘤)ができる原因は、現在の獣医学でも解明されていません。
そのため「これをすれば必ず防げる」という予防方法も、残念ながら確立されていないのが現状です。
ただし、これまでの臨床経験から、いくつかの要因が重なることで発症しやすくなることは分かってきています。
まず大きな要因として考えられているのが、毛穴や皮脂腺の詰まりです。
皮脂や角質がうまく排出されずに皮下に溜まると、内部に袋のようなものができ、そこに皮脂が蓄積されて表皮嚢胞(粉瘤)が形成されます。
また、加齢による皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)の低下も関係すると考えられています。
そのため、老犬になるほど表皮嚢胞(粉瘤)ができやすくなる傾向があります。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)はどんな症状が出る?
犬の表皮嚢胞(粉瘤)は、でき始めのころは痛みがなく、見た目も小さなしこり程度です。
そのため、犬自身も気にしないことが多く「ニキビみたいなものかな」「様子を見ても大丈夫そう」と思ってしまい、放置されやすい傾向があります。
しかし、表皮嚢胞(粉瘤)は時間とともに少しずつ大きくなることがあります。
とくに脇の下や足の付け根にできると、動くたびに擦れて不快感が出やすくなります。
さらに注意したいのが、犬が気になって舐めたり噛んだり、引っかいてしまうことです。
これらの行為により強い刺激が加わると、嚢胞が破裂し、膿や血が出ることがあります。
破裂すると細菌が入り込みやすくなり、炎症が一気に悪化することがあります。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)はどうやって治療する?
犬の表皮嚢胞(粉瘤)の治療方法は、しこりの大きさや炎症の有無、潰れているかどうかによって異なります。
そのため、自己判断で「絞る」「様子を見る」といった対応をするのはおすすめできません。
主に行われる治療は、次の3つです。
嚢胞が小さく、炎症が強くない場合
嚢胞に細い針を刺して中に溜まった皮脂や体液、膿を外に出す方法(穿刺)が選ばれることが一般的です。
ただし、この方法は袋(嚢胞)が残るため、再発しやすい点には注意が必要です。
嚢胞が赤く腫れている・膿が出ている場合
抗生物質や消炎剤による治療が選ばれることが一般的です。
ただし、これは感染や炎症を抑えるための対処であり、粉瘤そのものを治す治療ではありません。
症状が落ち着いたあと、嚢胞の大きさや状態を見ながら穿刺を行うか、場合によっては経過観察となるケースもあります。
嚢胞が大きい・何度も再発を繰り返している場合
この段階までになってくると摘出手術が検討されます。
目安としては、
- 直径3m以上になっている
- 以前より短期間で大きくなっている
- 何度も潰れて、膿や出血を繰り返している
といった状態です。
このようなケースでは、穿刺や抗生物質による治療では対応しきれないことがあります。
そこで行われるのが、嚢胞を袋ごと取り除く摘出手術です。
嚢胞を完全に取り除くことで、皮脂が再び溜まる原因そのものを断ち、再発のリスクを大きく下げることができます。
【体験談】経過観察中でも要注意!犬の表皮嚢胞(粉瘤)は短期間で急に大きくなる
我が家の愛犬にできている2つの表皮嚢胞(粉瘤)は、2021年に受けた針生検の結果から悪性腫瘍ではないと診断されていました。
獣医師からも経過観察で問題ないと言われていたため、私自身もすっかり安心していました。
しかし、2022年6月に状況が一変します。
ある日、愛犬がしきりに顔を床にこすりつけたり、後ろ足で顎を引っかいたりする様子が見られました。
気になって確認してみると、顎の下にあった表皮嚢胞(粉瘤)が大きく腫れあがっていたのです!


嚢胞からは黄色い体液が流れ出ており、患部は真っ赤に腫れ、触ると熱も帯びていました。
すぐに病院へ連れて行きたい気持ちはあったものの、既にかかりつけの動物病院は診療時間外になっていたのと、愛犬自身も痒そうにしている以外に元気・食欲に問題はなかったため、一晩様子を見ることにしました。
そして翌朝――
布団の中で突然「ぎゃん!」という悲鳴が聞こえ飛び起きました。
横で寝ていた愛犬を見ると、顎と後ろ足が血で赤く染まっていました!
寝ている間に強く引っ搔いてしまい、表皮嚢胞(粉瘤)が潰れてしまったようです。
潰れた直後は、突然の痛みに驚いたのかしばらく動かずうなだれている様子でした。
しかし、時間が経つにつれて、痛みよりも痒みのほうが強くなってきたのか、再び引っ掻こうとする仕草が見られました。
すぐに応急処置をを行い、朝一番で動物病院へ駆け込みました。
この出来事をきっかけに「良性だから」「まだ小さいから」と放置する危険性を実感しました。
我が家の愛犬は現在も定期健診を受けながら経過観察を続けています。
顎下の表皮嚢胞(粉瘤)は直径約3.8センチ、背中も約0.7センチと年々大きくなっています。
ですが、過去の経験を踏まえ、日常的に引っ掻いていないかをよく観察し、赤みや腫れなどの異変があればすぐに動物病院を受診するようにしています。
こうした対策が功を奏し、現在まで表皮嚢胞(粉瘤)が再び潰れたことはありません。




表皮嚢胞(粉瘤)は「良性腫瘍だから大丈夫」ではなく、長期的に付き合っていく可能性がある皮膚トラブルです。
放置せず、日頃からの観察と、早めの対応が大切だと感じています。
放置は危険!犬の表皮嚢胞(粉瘤)が悪化すると起こるリスクと合併症
犬の表皮嚢胞(粉瘤)は、初期の段階では「ニキビみたいなものだろう」「まだ小さいし大丈夫」と思われ、放置されてしまうことが少なくありません。
しかし、放置することで潰れたり、感染や炎症を起こすことがあります。
また、見た目だけでは本当に良性腫瘍なのかを判断することはできません。
ここからは、犬の表皮嚢胞(粉瘤)を放置した場合に起こりやすいリスクや合併症について解説していきます。
自己判断は危険!悪性腫瘍の可能性がある
表皮嚢胞(粉瘤)に限らず、犬の皮膚にできる腫瘍は、見た目や色だけで良性・悪性を判断することはできません。
インターネットで検索すると、「犬にできたできものが良性か悪性かを見分ける方法」といった情報が数多く見つかります。
中には動物病院のサイトもあり、書かれている内容や画像と愛犬の症状を照らし合わせて、安心してしまう飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、そうした情報はあくまで獣医師の経験をもとにした症例紹介にすぎません。
それだけで「自分の犬も絶対に良性だ」と判断することはできません。
実際には、獣医師であっても視診や触診だけで良性・悪性を確定することは難しく、細胞診や生検といった検査を行って、初めて正確な診断が可能になります。
もし、犬の皮膚にできたしこりが悪性腫瘍だった場合、自己判断で放置してしまうと、病状が進行し、周囲の組織や他の臓器へ転移するリスクが高まります。
愛犬の健康を守るためにも決して自己判断で放置せず、早めに動物病院を受診し、獣医師の診断を受けるようにしましょう。
放置や破裂で起こる感染症のリスクとは
表皮嚢胞(粉瘤)の内部は、皮脂や老廃物が溜まりやすく、湿度も高い環境です。
そのため、細菌が増殖しやすく、感染症を起こしやすい状態となっています。
感染が起こると、
- 赤く腫れる
- 触ると熱っぽい
- 嚢胞から膿が出てくる
といった症状が見られるようになります。
さらに症状が進むと、
- 元気がなくなる
- 食欲が落ちる
- 発熱する
などの全身症状につながるケースもあります。
特に潰れたり破裂した場合は感染症を起こしやすいため、早めの対応が重要になります。
表皮嚢胞(粉瘤)であっても放置せず、注意深く経過を見ていくことが大切です。
痛み・かゆみ・ストレス|犬の心身にかかる負担
表皮嚢胞(粉瘤)が炎症を起こしたり潰れてしまった場合、強い痛みや不快感が生じます。
患部は急激に腫れ、熱を帯びることが多く、触れられるだけでも嫌がるようになるケースも少なくありません。
また、強いかゆみを伴うことも多いため、犬は患部を舐めたり、引っ搔いたりしがちです。
その結果、嚢胞が潰れて治りにくい状態になることもあります。
このような状態が続くと、
- 痛みで落ち着きがなくなる
- 眠れなくなったり、食欲が落ちる
といった変化が見られ、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも大きくなります。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れた時にやるべきこと・やってはいけないこと
犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れると、突然の出血や膿に驚き「すぐに消毒しないと!」「膿を絞り出さないといけないのでは」と、飼い主さんも慌てて対応してしまいがちです。
しかし、対処法を間違えるとかえって炎症を悪化させてしまうことがあります。
潰れた直後の表皮嚢胞(粉瘤)は、皮膚が傷ついた状態でとてもデリケートです。
私も潰れた直後は、愛犬が痛がる様子や、止まらずに出てくる血を目の前にして「どうしよう」と強い不安を感じました。
ですが、後から振り返ると自己判断で処置をしなくて本当によかったと思っています。
よかれと思って行った対応が、かえって悪化につながることもあるからです。
まずは「やってはいけない行動」と「正しい応急処置方法」を知り、落ち着いて対応することが大切です。
人間用消毒液はNG!犬の表皮嚢胞(粉瘤)に使ってはいけない理由
表皮嚢胞(粉瘤)が潰れたとき「とりあえず消毒しないと」と思い、人間用の消毒液を使おうとする飼い主さんは少なくありません。
しかし、これは避けるべき行動のひとつです。
人間用の消毒液は、犬の皮膚にとって刺激が強すぎる場合が多く、傷口に使うとかえって痛みや炎症を強めてしまうおそれがあります。
また、人間用の消毒液にはエタノールが含まれているものが多くあります。
犬はエタノールを分解する酵素をほとんど持っていないため、舐めたり、吸い込んだりすることで中毒を起こす危険性があります。
エタノール中毒は少量でも起こることがあり、においを嗅いだだけでも体調を崩すケースも報告されています。
重症化すると命に関わることもあるため、絶対に使用しないよう注意しましょう。
自宅でできる応急処置|表皮嚢胞(粉瘤)が潰れたときの正しい対処方法
表皮嚢胞(粉瘤)が潰れてしまった場合に、自宅でできる応急処置のポイントをまとめました。
基本の考え方は、「刺激を与えない」「清潔を保つ」「早めに動物病院を受診する」の3つです。
清潔なガーゼやタオルでやさしく拭き取る
表皮嚢胞(粉瘤)から出血や膿が出ている場合は、清潔なガーゼやタオルを水(ぬるま湯)で軽く湿らせ、そっと押さえるようにして拭き取ります。
強く拭いたり、何度も触ったりするのは避けましょう。
また、このときに消毒液を使用しないように気を付けましょう。
無理に絞らない・中身を出そうとしない
嚢胞が潰れたからといって、皮脂や膿を無理に絞り出すのはNGです。
表皮嚢胞(粉瘤)は、潰れて中身が出たように見えても、中の袋が皮膚の下に残っていることがほとんどです。
そのため、無理に刺激を与えると、かえって炎症や感染を悪化させてしまうことがあります。
出血がある場合は軽く保護する
表皮嚢胞(粉瘤)から出血が続いている場合は、清潔なガーゼでやさしく押さえて止血しましょう。
足や腹部など、包帯やタオルが巻ける部位であれば、きつくならないよう注意しながら保護してあげましょう。
ただし、10分以上経っても血が止まらない場合や、犬が強く痛がる・落ち着かない様子が続く場合は、早急に動物病院を受診してください。
舐めたり引っ掻いたりしないよう注意する
患部を舐めたり引っ掻いたりすると、傷が広がり治りにくくなります。
可能であれば、エリザベスカラーなどで保護し、刺激を最小限に抑えましょう。
エリザベスカラーが手元にない場合は、
- 清潔な服(犬用ウェア)を着せて患部を覆う
- 包帯やガーゼで患部を保護する
といった方法で、舐めたり引っ掻くことができない状態を作ることも一時的な対策になります。
できるだけ早く動物病院を受診する
出血が少なく元気そうに見えても、潰れた表皮嚢胞(粉瘤)は感染のリスクが高い状態です。
軽症に見える場合でも、早めに動物病院で診てもらうことが重要です。
見逃し注意!犬の皮膚腫瘍が見つかりにくい部位とチェック方法
犬の表皮嚢胞(粉瘤)をはじめとする皮膚腫瘍は、発症の原因がはっきり解明されていないものも多く、予防法が確立されていません。
そのため、私たち飼い主にできることは、日頃から犬の体に触れ、早めに異変に気づいてあげることです。
チェックの目安としては、最低でも月に1回。
できれば15分ほど時間を確保し、頭からしっぽまで順番に触りながら確認するのがおすすめです。
というのも、皮膚腫瘍は
- 短期間で急に大きくなる
- ちょっとした刺激で潰れたり、化膿したりする
といったことが珍しくないからです。
また、良性腫瘍と診断された場合でも、稀に悪性腫瘍へ変化することがあるため、定期的なチェックは大切です。
日頃から、
- どの場所にしこりやできものがあるのか
- 大きさや硬さ、色に変化はないか
を把握しておくことで、異変が起きたときにすぐ動物病院へ相談できるようになります。
ここからは、特に見落としやすい部位とチェックのポイントを図を交えて紹介していきます。


「耳の付け根・裏・表面」と「足の裏・指の間・肉球の隙間」は、日頃から意識して触らないと発見が遅れやすい場所です。
特に足の裏や指の間は、犬自身が触られるのを嫌がることも多いため、普段から少しずつ慣れさせておくと安心です。
「顎から前胸」や「四肢の付け根」は、体を動かすたびに刺激を受けやすい部位です。
そのため、小さなしこりや腫れができても気づきにくく、知らないうちに大きくなってしまうことがあります。
特に四肢の付け根は、日常のスキンシップではあまり触らない場所でもあるため、意識してチェックすることが大切です。
首まわりで特に注意したいのは、左右の側面です。
このあたりには下顎リンパ節があるため、もともと少しふくらんでいます。
そのため、小さなしこりや腫れができても「元からこうだったかも」と見過ごしてしまいやすい部位です。
また、垂れ耳の犬種は、耳に隠れて見えにくい場所でもあるため、耳をめくって皮膚の状態を確認するようにしましょう。
肛門付近は皮脂腺が多く、皮膚トラブルや腫瘍ができやすい部位のひとつです。
一方で、お尻を拭いたりケアしたりする機会が多いため、比較的異変に気づきやすい場所でもあります。
日常のお手入れのついでに、しこりや腫れ、赤みがないかをチェックしてあげましょう。
犬の皮膚腫瘍はどう調べる?良性・悪性を見分ける検査方法
犬の皮膚にしこりやできものを見つけたとき、多くの飼い主さんがまず気になるのは「これは良性なのか、それとも悪性なのか」という点ではないでしょうか。
犬の皮膚腫瘍は、見た目や触った感じだけでは良性か悪性かを正確に判断することはできません。
そのため、正確な判断をするには動物病院での検査が必要になります。
検査は腫瘍の状態に応じて、体への負担が少ないものから詳しく調べるものまで、いくつかの方法があります。
ここでは、基本的な検査方法についてと、実際に我が家の愛犬が受けた針生検の体験談も紹介していきます。
犬の皮膚腫瘍の検査①|細胞診ってどんな検査?
細胞診とは、皮膚腫瘍やしこりに細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で観察する検査方法です。
採取した細胞の形や並び方を調べることで、良性腫瘍か悪性腫瘍かの大まかな性質を判断する手がかりを得ることができます。
細胞診は、麻酔を必要としないケースがほとんどで、犬にとっての負担は採血時の注射と同程度とされています。
そのため、
- 高齢犬
- 体力に不安がある犬
- 視触診から良性の可能性が高いと獣医師が判断した場合
に選ばれることが多い検査です。
検査結果も比較的早く分かるため、最初に受ける検査として選ばれることが多い方法です。
このように、細胞診は犬への負担も少なく便利な検査方法ですが、
- 採取できるのは「細胞」だけ
- 腫瘍全体の構造や、深部の状態までは分からない
という欠点もあるため、腫瘍の種類によっては、良性か悪性かをはっきり判断できないこともあります。
| 負担度 | 注射程度の痛みで比較的負担は少ない | |
| 精度 | 生検と比べるとやや劣る | |
| 費用 | 2,000円〜5,000円程度 | ※外部の検査機関に依頼する場合は1万円前後かかることがあります。 |
犬の皮膚腫瘍の検査②|生検ってどんな検査?
生検とは、皮膚腫瘍の一部を採取し、組織の構造を顕微鏡で詳しく調べる検査方法です。
細胞だけを確認する細胞診とは異なり、腫瘍組織の並び方や境界、浸潤の有無まで評価できるため、より正確な診断が可能になります。
犬の皮膚腫瘍で行われる生検には、主に次の2つがあります。
針生検(コア生検)
針生検は、腫瘍に専用の針を刺して組織を採取する方法です。
細胞診よりも多くの情報が得られるため、細胞診では判断がつかなかった場合や、もう少し詳しく調べたい場合に選択されることがあります。
多くの場合、麻酔不要もしくは局所麻酔のみで行われるため、犬への負担は比較的少なめです。
ただし、調べられるのは腫瘍の一部分だけのため、結果によっては追加検査が必要になる場合があります。
| 負担度 | 注射に近い刺激(細胞診よりやや負担は増す) | |
| 精度 | 細胞診より高いが、確定診断に至らないこともある | |
| 費用 | 3,000円〜5,000円程度 | ※外部の検査機関に依頼する場合は1万円前後かかることがあります。 |
切除生検(部分的に切除して調べる方法)
切除生検は、腫瘍の一部を切り取り、組織を直接採取して評価する検査方法です。
針生検よりも広い範囲の組織を調べることができるため、腫瘍の性質や境目が分かりやすく、診断の精度は高くなります。
そのため、すぐに治療方針を決める必要がある場合や、摘出手術の前に腫瘍の広がりを確認しておきたい場合に選択されることがあります。
一方で、局所麻酔または全身麻酔が必要になることから、犬の年齢や体調によっては、負担やリスクも踏まえて判断する必要があります。
| 負担度 | 局所麻酔または全身麻酔が必要 | |
| 精度 | 針生検より高く、確定診断につながりやすい | |
| 費用 | 5,000円〜数万円程度 | ※麻酔方法や入院の有無により大きく変動します |
【体験談】愛犬の皮膚腫瘍は良性or悪性?針生検を受けてみた
2021年3月、愛犬の顎の下に直径1.0センチほどの少し大きなできものを見つけました。
愛犬はもともと表皮嚢胞(粉瘤)ができやすい体質で、これまでもいくつか嚢胞ができていました。
しかし、この顎下のできものは、色がやや黒く、触ると中に何かが詰まっているような硬さがあり、これまでの嚢胞とは見た目も感触も明らかに違っていました。
不安になり、すぐに動物病院を受診。
いつものように針で突いてもらいましたが、普段なら出てくるはずの角質や体液は出てきませんでした。
さらに獣医師からは「悪性腫瘍の可能性も否定できません」と告げられ、頭が真っ白になったのを今でもはっきり覚えています。
そのうえで、獣医師からは次の2つの検査方法を提案されました。
ひとつは、針生検を行いその結果をもとに今後の治療方針を決める方法。
もうひとつは、切除生検を行いより精度の高い診断結果を得る方法です。
一日じっくり悩んだ末、私は「針生検を行いその結果をもとに今後の治療方針を決める方法」を選びました。
この方法を選んだ理由は、我が家の愛犬がてんかんや軟口蓋過長症など、麻酔を使う処置には不安が残る持病をいくつも抱えていたからです。
悪性の可能性があるとはいえ、100%ではない段階で麻酔のリスクを取るのは高すぎると判断しました。
針生検は麻酔なしで受けました。
検査は、看護師さんと私で愛犬が動かないよう体を支えながら進めてもらいました。
針が刺さった瞬間は、さすがにビクッと体を動かしましたが、その後は暴れることもなく、処置が終わるまで落ち着いてじっとしていてくれました。



いつもの注射より痛かったけど、なんとか我慢できるレベルだったよ…
かかりつけの動物病院では、採取した組織を外部の病理検査機関へ提出するため、結果が出るまでに約10日かかりました。
そして検査結果は「角質と皮脂の塊で、悪性所見はなく、良性」と判断されました。


皮膚腫瘍と向き合う時間は不安の連続でした。
それでも勇気を出して検査を受け、結果を知ることで、今後の治療方針を早い段階で決めることができたと感じています。
その意味で、私は検査を受けて本当によかったと思っています。
もし、愛犬の皮膚腫瘍を前に不安を感じているなら一人で抱え込まず、まずは獣医師としっかり相談することから始めてみてください。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)の治療費はいくら?ケース別の目安を体験談付きで解説
表皮嚢胞(粉瘤)と診断されたとき、多くの飼い主さんが気になるのが「治療にはどれくらい費用がかかるのか」「通院や治療期間はどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
表皮嚢胞(粉瘤)は、症状や治療方法によって費用や期間に大きな差が出る皮膚トラブルです。
ここでは、我が家の実体験も踏まえながら、一般的な目安をお伝えしていきます。
経過観察の場合にかかる費用と治療期間
炎症や感染を起こしておらず、悪性所見も見当たらない表皮嚢胞(粉瘤)の場合は、経過観察となるケースが多いのが一般的です。
経過観察のみの場合、診察料や簡単なチェックが中心となるため、1回あたりの費用は2,000円〜3,000円前後が目安になります。
治療期間については「〇か月で終わる」といった明確な区切りはなく、年単位で様子を見ていくことも珍しくありません。
炎症・感染が起きた場合にかかる費用と治療期間
表皮嚢胞(粉瘤)が赤く腫れたり、潰れてしまった場合には、治療が必要になります。
この場合は診察料に加えて、抗生物質などの内服薬や外用薬の処方料、洗浄などの処置料がかかることが一般的です。
治療費の目安は、1回あたり5,000円〜1万5,000円前後となります。
治療期間は炎症の程度によって異なりますが、1〜2週間ほど通院が必要になるケースが多いです。
【体験談】炎症を起こした表皮嚢胞(粉瘤)の治療内容と回復までの経過
我が家の愛犬も、顎下にできた表皮嚢胞(粉瘤)が細菌感染を起こして急に腫れたことがあります。
針生検の結果から悪性腫瘍ではないと分かっていたため、外科手術ではなく炎症に対する治療を行うことになりました。
治療内容は、
- 表皮嚢胞(粉瘤)に針を刺し、中に溜まってる老廃物を可能な限り排出させる
- 抗生物質の内服薬と、化膿止めの外用薬の処方
というものでした。
治療を始めてから2日ほどで腫れは目に見えて引き始め、床に顔をこすりつけたり、後ろ足で引っ掻いたりする行動も落ち着きました。
1週間後には赤みが少し残る程度まで改善し、嚢胞もだいぶ小さくなりました。




処置後は傷の保護のため、病院からエリザベスカラーを貸してもらいましたが、我が家の愛犬は外そうとして顔を床に擦り付ける行動が強くなってしまったため、獣医師と相談のうえ、わずか1日で外すこととなってしまいました。


このときの治療にかかった費用は約8,000円でした。


通院期間は約2週間でした。
この経験を通して、表皮嚢胞(粉瘤)は、潰れたり細菌感染による炎症を起こした場合でも、早めに治療を行えば、比較的短期間で症状が落ち着くケースが多いと実感しています。
手術を行う場合にかかる費用と治療期間
表皮嚢胞(粉瘤)が繰り返し炎症を起こす場合や、大きくなりすぎて日常生活に支障が出る場合には、外科手術による全摘出が必要になることがあります。
手術を行う場合は、診察料に加えて、麻酔代・手術費・病理検査代・入院費用などが必要となるため、費用は5万円〜20万円前後が目安になります。
治療期間としては、術後通院が1〜2回、抜糸までに約10日〜2週間かかるのが一般的です。
まとめ|犬の表皮嚢胞(粉瘤)に気づいたら、放置せず獣医師に相談しよう
犬の表皮嚢胞(粉瘤)はニキビのように見えることがあるため、病院に行くべきか、このまま様子を見ていいのか判断に迷う飼い主さんも少なくありません。
ですが、自己判断で放置することはおすすめできません。
万が一、表皮嚢胞(粉瘤)ではなく悪性腫瘍だった場合、発見が遅れることで治療の負担が大きくなり、犬の命に関わる状態に進行してしまう可能性もあります。
しこりや皮膚の異変に気づいたら、早めに動物病院を受診し、獣医師に相談することが愛犬を守る一番確実な方法です。
この記事が、愛犬の皮膚にできものを見つけて不安になっている飼い主さんの参考になればうれしいです。


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