「犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れちゃった!どうしたらいいの?」
「表皮嚢胞(粉瘤)の治療方法や費用は?」
はじめまして。
表皮嚢胞の老犬と暮らしている飼い主のりあです
顎の下にあった表皮嚢胞が潰れてめちゃくちゃ痛い思いをしたちょちょです
犬の表皮嚢胞(粉瘤)は身体中どこにでもできやすく、嚢胞の中身は殆どが角質や皮脂のため、悪性に転じることはあまりないのですが、良性腫瘍だからと油断していると突然潰れてしまうことがあります。
- 表皮嚢胞(粉瘤)が潰れてしまった時の対処法
- 表皮嚢胞(粉瘤)の治療方法や費用について
この記事は飼い主である私の経験談を元にしながら、犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れてしまった時の対処法や、治療法・費用・その後の経過についてお話させていただきます。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)という病気について、良性腫瘍か悪性腫瘍かを見分ける検査方法、表皮嚢胞(粉瘤)を見落としやすい場所について詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。
- 名前 ちょちょ
- 犬種 ダックスフンド
- 性別 メス
- 年齢 不明(老犬)
- 病名 表皮嚢胞(粉瘤)
油断大敵!犬の表皮嚢胞(粉瘤)は急に大きくなることがある
細胞診と針生検の結果から顎のできものが表皮嚢胞(粉瘤)と判明し、すっかり安心しきっていた私。
ですが2022年6月15日、事態が急変します。
その日はちょちょが執拗に顔を床に擦り付けたり、後ろ足で引っ搔いたりしていたので
おかしいな?
と思い、顔周りを観察してみると顎の下の表皮嚢胞が大きくなってる!?
その時の写真がこちら↓
表皮嚢胞(粉瘤)と判明後、毎月獣医師にも診てもらっていたのですが、この顎の嚢胞は前回の健診から僅か一週間で急変しました。
前回大きさを測った時は0.7㎝程だったのですが、倍以上の大きさに腫れ上がり、炎症を起こしているのか嚢胞から汁が出ていました。
すぐにでも動物病院に連れて行きたかったのですが、気付いたのが夜の21時頃だったこと、更に最悪なことに翌日は動物病院が休診日だったため、すぐに受診することができませんでした。
今思えばもう一つのかかりつけ動物病院に駆け込むべきだったと反省しています。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れた時の正しい対処法:人間用消毒液は使っちゃダメ!
2022年6月17日の午前7時30分頃。
布団の中で寝ていたちょちょが「ぎゃん!!」と悲鳴をあげた声で目が覚めました。
びっくりして布団をめくると赤く染まったちょちょの顎と後ろ足…
どうやら夜中も引っ掻いてしまっていたようで表皮嚢胞(粉瘤・アテローム)を潰してしまったのです!
その時のちょちょの様子はというと、嚢胞が潰れた瞬間は激痛にびっくりしたようでうなだれていましたが、痛みよりも痒みのほうが強かったらしく、暫くするとまた引っ掻こうとしていました。
すぐに応急処置を施して動物病院へ駆け込みました。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)が潰れてしまった時の応急処置の方法をまとめました。
この方法は犬の怪我全般に対応できるので覚えておいて損はないと思います。
- 清潔な布を水で濡らし幹部を優しく拭き取る
- 軽傷の場合はそのまま動物病院を受診しても大丈夫
- 出血が酷い場合は幹部をガーゼなどで保護する
- 足や腹部など包帯やタオルが巻ける部位の場合は巻いてもOK
応急処置の際、傷口を消毒するために人間用の消毒液を使おうとする飼い主さんがいますが絶対にやめましょう!
人間用の消毒液は犬にとっては刺激が強すぎるため、かえって状態を悪化させる危険があります。
更に私達人間用の消毒液にはエタノールが使用されているものが多くあります。
犬にはこのエタノールを分解できる酵素が無いため、摂取すると「エタノール中毒」を引き起こしてしまう危険性があり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。
どの程度の量で中毒になるかは個体差がありますが、ニオイを嗅いだだけでも中毒になることもあるので非常に危険です。
犬の表皮嚢胞(粉瘤)の治療方法・費用・治療期間
ちょちょの顎のできものは細胞診と針生検の結果から悪性腫瘍ではないことが判明している為、表皮嚢胞(粉瘤)を針で突いて、中に溜まっている老廃物を絞り出す処置をとることになりましたが、嚢胞の中で老廃物が一部固まってしまっており、完全に絞り出すことは出来ませんでした。
とはいえおおかたの老廃物は絞り出せたので、抗生物質と化膿止めの塗り薬を処方してもらい診察終了。
顎の表皮嚢胞(粉瘤)が急に大きくなった原因は、嚢胞の中に溜まっていた老廃物が細菌感染を起こし化膿してしまったためでした。
その日の夜から早速薬を塗り、二日後には腫れも引き始めました。顔を床に擦り付けたり、後ろ足で引っ掻いたりする行為も止まり、一週間後にはまだ少し赤いものの嚢胞はだいぶ小さくなりました。
2022年8月の様子↓
老廃物を出し切れなかったから嚢胞は残っているけどだいぶ小さくなったよ♪
ちなみに傷を保護するために病院がエリザベスカーラーを貸してくれたのですが、やはり気に入らなかったようで、なんとかして取ろうと顔を床に擦り付ける行為が止まらなくなった為、二時間程で外しちゃいました。
エリザベスカーラーは傷を保護するための医療器具なので、基本的には犬が嫌がっても装着しておいたほうがいいと思いますが、外しても傷口を弄ったりしない犬には無理に装着する必要はないと獣医さんから教えてもらいました。
ちなみに表皮嚢胞(粉瘤)の治療費がこちら↓
※保険診療外の金額です
皮膚疾患は抗生物質等の内服薬の他、外科処置料や外用薬の処方料がかかるから治療費が高くなるよ…
まとめ:犬の表皮嚢胞(粉瘤)は潰しちゃダメ!
犬の表皮嚢胞(粉瘤)をニキビ感覚で潰してしまう飼い主さんがいるようですが、絶対に潰してはいけません!
万が一その嚢胞が良性腫瘍ではなく悪性腫瘍だった場合、癌細胞が飛び散り、犬の寿命を縮めることになってしまいます!
更に嚢胞を無理矢理潰されると犬としては物凄く痛いので、防御反応によって飼い主さんに怪我をさせたり、信頼関係を崩してしまう可能性もあります。
最悪潰した箇所から細菌感染を起こし、化膿したり別の感染症を患ってしまうと治療にも時間がかかり、犬にとっては痛くて辛い、飼い主にとっては余計な治療費がかかることになり何も良い事はありません。
犬の皮膚にできものや腫瘍を見つけたら決して触らず、早めに動物病院を受診して獣医さんに治療してもらってくださいね